「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」の意義等


(「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」の意義等)
43‐1 法第43条第1項ただし書に規定する「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」とは、その現況に著しい変化を生じた財産が、収納の時の状態で相続若しくは遺贈又は贈与によって取得した時にあったものとして、その取得した時における価額によって当該収納価額を定めるという趣旨であるから留意する。
 なお、「当該財産の状況に著しい変化を生じた」かどうかの判定は、原則として、許可の時における物納財産の現況によることとする。


(許可後の財産の状況の変化)
43‐2 物納の許可を通知した後であっても、当該許可に係る物納財産の引渡し、所有権移転の登記その他法令により第三者に対抗することのできる要件を充足するまでの間において、納税義務者の責めに帰すべき事由により当該財産の状況に著しい変化を生じたときは、法第43条第1項ただし書の規定を適用することができるのであるから留意する。


(「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたとき」の意義)
43‐3 法第43条第1項ただし書に規定する「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたとき」とは、例えば、次に掲げるような場合をいうものとする。
(1) 土地の地目変換があった場合(地目変換があったかどうかは土地台帳面の地目のいかんにかかわらない。
(2) 荒地となった場合
(3) 竹木の植付け又は伐採をした場合
(4) 所有権以外の物権又は借地権の設定、変更又は消滅があった場合
(5) 家屋の損壊(単なる日時の経過によるものは含まない。)又は増築があった場合
(6) 自家用家屋が貸家となった場合
(7) 引き続き居住の用に供する土地又は家屋を物納する場合
(8) 震災、風水害、落雷、火災その他天災により法人の財産が甚大な被害を受けたことその他の事由により当該法人の株式又は出資証券の価額が評価額より著しく低下したような場合
(注) 証券取引所に上場されている株式の価額が証券市場の推移による経済界の一般的事由に基づき低落したような場合には、この「その他の事由」に該当しないものとして取り扱うことに留意する。
(9) 相続開始の時において清算中の法人又は相続開始後解散した法人がその財産の一部を株主又は出資者に分配した場合(この場合において、当該法人の株式又は出資証券については、課税価格計算の基礎となった評価額からその分配した金額を控除した金額を収納価額として物納に充てることができる。
(10) (1)から(9)までに掲げる場合のほか、その財産の使用、収益又は処分について制限が付けられた場合


(分割不動産の収納価額)
43‐4 相続財産である不動産を分割し、分割不動産について物納を許可する場合における法第43条第1項に規定する収納価額は、原則として、次の算式により計算した金額によるものとする。
K×
=分割不動産の収納価額
A+B

(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Kは、分割前の課税価格計算の基礎となった価額
Aは、分割不動産について、相続開始時の評価基本通達の定めにより評価した価額
Bは、分割前の不動産のうち、分割不動産部分以外の不動産について、相続開始時の評価基本通達の定めにより評価した価額


(物納許可額等の訂正)
43‐5 課税価格の更正により物納に充てた財産の価額に異動を生じたときは、異動後の価額により物納許可額を修正するのであるから留意する。


(収納価額の特例)
43‐6 法第41条第2項に規定する「当該財産により取得した財産」による物納の申請があった場合における当該財産の収納価額は、法第43条第1項ただし書の規定に準じて定めるものとする。


(株式及び出資証券の収納価額の特例)
43‐7 41‐7の(1)から(3)までに掲げる株式又は出資証券(以下43‐7においてこれらを「株式」という。)についての1株又は1口(以下43‐7においてこれらを「1株」という。)当たりの収納価額は、次に掲げる方法によって計算した金額によるものとする。
 なお、物納申請に係る株式について相続開始後収納の時までに増資新株の割当てがあった場合における旧株式の1株当たりの収納価額についても、(3)に掲げる方法によって計算した金額によるものとする。
(1) 合併により株式だけの交付があったとき
被合併法人の株式1株当たりの相続税評価額
被合併法人の株式1株当たりの交付株式数

(2) 合併により株式と金銭との交付があったとき
被合併法人の株式1株当たりの相続税評価額 1株当たりの合併交付金額
被合併法人の株式1株当たりの交付株式数

(3) 増資があったとき
イ 旧株式の相続税評価額が「評価基本通達」の188‐2本文以外の定めにより算出されている場合
旧株式1株当たりの相続税評価額 新株式1株当たりの払込金額 × 旧株式1株当たりの新株割当数
1+旧株式1株当たりの新株割当数

ロ 旧株式の相続税評価額が評価基本通達の188‐2本文の定めにより算出されている場合
 次の(イ)又は(ロ)のうちいずれか低い額に相当する金額
(イ) 旧株式1株当たりの相続税評価額
(ロ)
旧株式を評価基本通達の179の例により評価した1株当たりの相続税評価額 新株式1株当たりの払込金額 × 旧株式1株当たりの新株割当数
1+旧株式1株当たりの新株割当数


(公用又は公共の用に供されることが確実と見込まれる財産による還付)
43‐8 法第43条第3項ただし書に規定する「公用若しくは公共の用に……供されることが確実と見込まれる」とは、例えば、物納不動産について法令等の手続を経て国の事業又は道路若しくは公園など土地収用法(昭和26年法律第219号)に列記するような公共の利益となる事業の用に供されることが確実と見込まれるものをいい、必ずしも契約締結時の事務的な手続を必要としないのであるから留意する。


(却下の日の翌日から起算して20日以内の意義)
44‐1 法第44条第1項又は法第45条第1項に規定する「却下の日の翌日から起算して20日以内」の期間の計算に当たっては、申請者が物納申請の却下通知を受け取った日の翌日から起算して当該期間を計算するのであるから留意する。


(延納の許可の申請に係る手続を行う者)
44‐2 法第44条第2項により法第39条を準用する場合における法施行令第16条の2第1項第1号に規定する「延納の許可の申請に係る手続を行う者」とは、「法第44条第2項の規定により延納の許可の申請を行おうとする者(納税義務者)」をいい、当該申請を行おうとする者が死亡したことにより当該申請者としての地位を承継した者を含むものであることに留意する。


(法第44条第1項に規定する延納申請期限の延長)
44‐3 法第44条第1項に規定する延納申請期限については、通則法第11条の規定の適用があることに留意する。
 また、法施行令第25条の2第4項により読み替える「第39条第22項第2号に規定する政令で定める期間」における法施行令第16条の2第1項第2号の「不服申立て」とは、法第44条第1項に規定する延納申請期限までに行われた不服申立てに限られるのであるから留意する。


(処分があった日)
44‐4 法第44条第2項により法第39条を準用する場合における法施行令第16条の2第3項第2号に規定する「処分があった日」とは、申請者が物納申請の却下通知を受け取った日をいうことに留意する。


(再申請の回数(1財産について1回限り))
45‐1 物納申請の却下に係る再申請は、同法第41条第1項の規定による申請があった場合の当該申請に係る物納申請財産が管理処分不適格財産又は物納劣後財産に該当することから、当該申請が却下された場合に認められるものであり(1財産について1回限り)、法第45条第1項により再申請された財産が却下された場合には適用がないのであるから留意する。


(物納の許可の申請に係る手続を行う者)
45‐2 法第45条第2項により法第42条を準用する場合における法施行令第19条の4第1項第1号の「物納の許可の申請に係る手続を行う者」とは、法第45条第2項の規定により物納の許可の再申請を行おうとする者(納税義務者)をいい、当該申請を行おうとする者が死亡したことにより当該申請者としての地位を承継した者を含むものであることに留意する。


(法第45条第1項に規定する延納申請期限の延長)
45‐3 法第45条第1項に規定する物納再申請期限については、通則法第11条の規定の適用があることに留意する。
 また、法施行令第25条の3第4項により読み替える「同条第28項第2号に規定する政令で定める期間」における法施行令第19条の4第1項第2号の「不服申立て」とは、法第45条第1項に規定する物納再申請期限までに行われた不服申立てに限られるのであるから留意する。


(処分があった日)
45‐4 法第45条第2項により法第42条を準用する場合における法施行令第19条の4第3項第2号に規定する「処分があった日」とは、申請者が物納申請の却下通知を受け取った日をいうことに留意する。


(公用又は公共の用に供されることが確実と見込まれる財産による還付及び物納の撤回)
46‐1 法第46条第1項ただし書に規定する「公用若しくは公共の用に……供されることが確実と見込まれる」については、43‐8の取扱いに準ずる。


(相続税額を超える価額の財産による物納が許可された場合に還付された金銭の返納)
46‐2 物納の撤回を承認する場合において、撤回を求めようとする不動産の物納を許可した際に、当該財産の収納価額と相続税額の差額相当額を金銭で還付していたときには、法第46条第10項に規定する「当該撤回に係る相続税のうちに金銭で一時に納付すべき相続税」の額の通知に併せて当該還付された金銭の返納を求めるものとする。(平18微管5‐14追加


(災害等延長期間等の取扱い)
47‐1 法施行令第25条の5第2項により読み替える「災害等延長期間又は第22項第2号」の取扱いについては、39‐10の2から39‐10の4を準用するものとする。


(「特定物納対象税額」の範囲)
48の2‐1 法第48条の2第1項に規定する「特定物納対象税額」には、利子税等の附帯税の額は含まれないのであるから留意する。


(延納担保物件が特定物納申請財産として申請された場合の取扱い)
48の2‐2 特定物納に充てようとする財産が、特定物納の許可を受けようとする延納税額の担保となっている場合には、当該財産について他の私債権の担保権の目的となっていない場合に限り、法施行規則第21条第1項第1号の不動産に該当しないものとして取り扱うことに留意する。
 ただし、特定物納の許可によっても被担保債権の全額が納付済みとならず担保権の抹消が行えない場合には、この限りでないのであるから留意する。

(「物納財産ごと」の意義)
48の2‐3 法第48条の2第3項に規定する「物納財産ごとに当該申請に係る物納の許可をし、又は当該申請の却下をする。」については、42‐5の取扱いに準ずる。


(特定物納の却下又は取下げ)
48の2‐4 法第48条の2第3項の規定により特定物納の申請が却下された場合、同条第6項において準用する第42条第10項の規定により申請を取り下げたものとみなされた場合又は自ら申請を取り下げた場合は、特定物納の申請前に許可を受けた延納の条件(同条第4項に規定する分納税額の納期限の延長を除く。)が継続することに留意する。


(特定物納に係る財産の収納価額)
48の2‐5 法第48条の2第5項に規定する「申請の時の価額」とは、特定物納申請財産について、当該特定物納の申請書が提出された時の財産の状況により、財産評価基本通達を適用して求めた価額をいうのであるから留意する。
 なお、次の場合にはそれぞれに掲げる価額をもって当該財産の価額として取り扱うのであるから留意する。
1 土地(路線価方式による評価を行うもの
 その年分に適用する路線価が公開されるまでの期間…前年の路線価を用いて評価した価額に時点修正指数を乗じた価額
(注) 時点修正指数とは、前年末から申請時までの地価の変動率をいい、その年分の地価公示における物納申請された土地の近傍の標準地の地価の変動率を用いることとして差し支えないものとする。
2 土地(倍率方式による評価を行うもの
 その年分に適用する倍率が公開されるまでの期間…前年の固定資産税評価額及び倍率を用いて評価した価額に時点修正指数を乗じた価額
3 取引相場のない株式に係る株券(純資産価額方式による評価を行うもの
 その年分に適用する路線価又は倍率が公示されるまでの期間…1又は2による土地の価額に基づき計算された取引相場のない株式に係る株券の価額


(当該財産の状況に著しい変化が生じたとき)
48の2‐6 法第48条の2第5項に規定する「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化が生じたとき」については、43‐3の取扱いに準ずる。


(「収納のときの現況により当該財産の収納価額を定める」の意義)
48の2‐7 法第48条の2第5項に規定する「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」とは、その状況に著しい変化を生じた財産が、収納の時の状態で特定物納の申請をした時にあったものとして、その特定物納を申請した時における価額によって当該収納価額を定めるという趣旨であるから留意する。
 なお、「当該財産の状況に著しい変化を生じた」かどうかの判定は、原則として、許可の時における物納財産の現況によるのであるから留意する。


(特定物納における物納手続関係書類の提出時期等)
48の2‐8 法第48条の2第2項の規定により特定物納申請書に添付して提出することとされている物納手続関係書類については、当該提出期限の延長はできないのであるから留意する。
2 法第48条の2第6項の規定により準用する法第42条第8項から第10項までの規定により、提出があった物納手続関係書類についてその記載に不備があること又はその提出がないことについて同条第9項による補完通知により、物納手続関係書類の訂正又は提出を求められた場合には、当該補完に係る期限の延長はできないことから、当該補完通知を受けた日の翌日から起算して20日以内に当該物納手続関係書類の訂正又は提出を行わない場合は、当該特定物納申請は取り下げられたものとみなされるのであるから留意する。


(災害等延長期間等の取扱い)
48の2‐9 法施行令第25条の7第2項により読み替える「災害等延長期間又は第28項第2号」の取扱いについては、42‐13の2から42‐13の4を準用するものとする。


(延納又は物納に関する事務の引継ぎ)
48の3‐1 法第48条の3に規定する「延納又は物納に関する事務の引継ぎ」を行う場合における通則法第43条第3項にいう「必要があると認めるとき」とは、例えば、納税義務者の延納又は物納の申請に係る相続税額が多額であるとき、物納申請に係る財産が納税地の管轄区域外に所在するときその他国税局長が必要があると認めるときをいうものとする。